この記事では「シットアップ」というトレーニングをご紹介します。
「シットアップ」とは仰向けになった状態から上半身を起こすことで腹筋を鍛える筋トレです。
英語では「sit up」といい、”座る”という意味のsitと”上げる”を意味するupで成り立つ名称ですが、一般的な腹筋運動をイメージしていただくと早いでしょう。
簡単なトレーニングであるものの、最短で効果を出すためには、フォーム・やり方をしっかり理解したうえで、身長に実施する必要があります。
例えば、硬い床の上で行うと、尾てい骨部分が擦れて皮がむけることもあります。
自宅で簡単に腹筋を鍛えたい方向け
「シットアップ」は、ご自宅で道具なしでも行える自重トレーニングです。
そのため、今すぐ・簡単に・腹筋を鍛えたい、というニーズをもっている方にオススメです。
腹直筋が鍛えられる
「シットアップ」は腹筋を鍛えるトレーニングでありますが、腹筋は「腹直筋」「腹斜筋」に分けることができ、本種目では特に「腹直筋」に刺激が入るのが特長です。
腹直筋(ふくちょくきん)
「腹直筋」と言われても聞き馴染みがないかもしれませんが、簡単にいえばシックスパックのことです。
次の画像が示しているように、「腹直筋」6~8つの割れ目に分かれています。
分かれていると言っても、6~8つにくっきりと分断されているわけではなく、腱画(けんかく)と呼ばれる横線と、縦線1本によって割れ目が出ている程度です。
ちなみに、腹直筋は姿勢維持に貢献しているわけではありません。
筋肉を理解するための大前提の知識として、筋線維は収縮することはできても、自らを引き伸ばすことはできないのです。
猫背の方が正しい姿勢に戻る場合、丸まった背中をピンと伸ばす必要があり、このとき収縮するのは、脊柱起立筋という筋肉だからです。
逆に、背中を丸めてうずくまるような動きをするときは、「腹直筋」が収縮して役割を果たしているのです。
他の筋肉は?
腸腰筋(ちょうようきん)や腹斜筋(ふくしゃきん)が鍛えられるとする筋トレサイトは多いですが、僕自身は「正しいシットアップで鍛えられるのは腹直筋のみ」と考えています。
もちろん、動きによっては腸腰筋や腹斜筋も動員していることは否めませんが、「シットアップ」時の負荷はほとんど腹直筋にかかっていると思います。
腸腰筋は脚を持ち上げるとき、腹斜筋は身体をひねるときに働くので、単純な上体起こしである「シットアップ」は、腹直筋が鍛えられるトレーニングと理解したほうがいいでしょう。
シットアップのやり方
シットアップの準備
- ヨガマットなどを用意する
- ご自宅にある毛布やカーペットでも可
- フローリングはNG(痛い)
- マット上に仰向けで寝る
- 膝を90度まで曲げる
- カカトだけ床につける
- 足裏全部をつける必要はない
- 両手は胸の前で交差する
- 後頭部だと援護しやすくなる
- 前方にまっすぐ伸ばしてもよい
- 敬礼みたく頭横に添えてもいい
シットアップの正しいやり方
- ゆっくりと上半身を起こしていく
- かかとは地面につけっぱなし
- 息を吐きながら起き上がる
- 背中を少しずつ丸めていく
- 上半身を寝かせていく
- 7秒かけて寝かせていく
- 息は止めず、吐きながら横になる
シットアップのバリエーション種目
シンプルに上半身を起こす「シットアップ」は、動きにアレンジを加えることでバリエーション豊かな筋トレにもなります。
有名どころを解説しましょう。
- ツイストシットアップ
- Vシットアップ
【腹斜筋】ツイストシットアップ
記事中盤あたりで「シットアップは腹直筋を鍛える筋トレと考えよう」という主旨の説明をしましたが、自宅で腹斜筋を鍛えたいという方のためにツイストシットアップをご紹介しましょう。
平たく申し上げれば、身体をひねりながら上半身を起こすシットアップです。
英語圏では「Sit-up twist」と呼ばれることが多いです。
基本的なやり方は「シットアップ」と同様でありますが、上体が起こされていくにつれ、上半身を左右どちらかにねじっていくことがポイントです。
悪い例もお見せします。
以下のYoutube動画では、起き上がってから上体をひねっています。
しかし、これでは腹斜筋に対する負荷が小さくなるため、効果があまりありません。
以下に手順をまとめます。
ツイストシットアップの準備
- ヨガマットなどを用意する
- 自宅の絨毯でもよい
- 床が固いと尾てい骨を痛めやすい
- マット上に仰向けで寝る
- 膝を90度まで曲げる
- かかとを床につける
- 足裏全体をつける必要はない
- 両手は頭の横にそえる
- 胸の前にかまえるとひねりにくい
ツイストシットアップのやり方
- 上半身をひねりながら上半身を起こしていく
- かかとを床から離してはいけない
- 息を吐きながら起き上がる
- 背中は丸めながらが良い
- 肘を反対の膝につける
- 右肘→左膝
- 左肘→右膝
- 上半身を寝かせていく
- 7秒かけて寝かせていく
- 息は止めず、吐きながら横になる
【腸腰筋】Vシットアップ
腸腰筋を鍛えたい場合は、Vシットアップがオススメです。
まっすぐ横になった上体から、Vの字になるように上半身と下半身を一気に持ち上げる筋トレです。
腹直筋は背中を丸めるときに収縮しますが、まっすぐ伸ばしたまま起きると腸腰筋が鍛えられます。
このYoutube動画で、動きのイメージはおおまかに掴んでいただけるでしょう。
ただ、Vシットアップは自宅でできる自重トレーニングであるものの、腸腰筋にかかる負荷はかなり高いです。
そのため、このメニューの前にレッグレイズで鍛え込んでから、チャレンジしたほうがいいと思います。
Vシットアップの準備
- ヨガマットなどを用意する
- 自宅の絨毯でもよい
- 床が固いと尾てい骨を痛めやすい
- マット上に仰向けで寝る
- 膝を90度まで曲げる
- かかとを床につける
- 足裏全体をつける必要はない
- 両手は前方にまっすぐ伸ばす
- 手のひらは脚側にする
Vシットアップのやり方
- 上半身と下半身を同時に起こしていく
- 手足はまっすぐ伸ばしたまま
- 息を吐きながら起き上がる
- 背中は丸めない
- 両手がつま先に触れるまで起こす
- 膝を曲げると難易度が下がる
- 仰向けの姿勢に戻っていく
- 7秒以上かけてゆっくり戻る
- 息は止めず、吐きながら戻る