筋肥大という目的を達成するためには、筋力トレーニングとともにタンパク質摂取も欠かせないファクターです。
タンパク質を摂れればいいので、プロテインでなくても牛肉とか豆とかでもいいんですが、筋肥大効果を最大化するタンパク質の量を達成するためには、食材だけではコスト面、手間面でなかなか難しいのが現状です。
- コスト面:お金がかかりすぎる
- 手間面:調理に時間がかかりすぎる
- そもそも種類が多すぎる
- 違いがわからない
- 値段がピンきり
本記事では、プロテインに関する知識を網羅的にまとめつつ、筋肥大効果を最大化する選び方を検討していきたいと思います。
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プロテインを原料別に分類
続いては、プロテインをその原料別に分類していこうと思います。
プロテインの原料は以下の3つになります。
プロテインの原料
- ホエイ(乳清)
- カゼイン(乾酪素)
- ソイ(大豆)
それぞれの特徴を解説してみましょう。
ホエイ(乳清)プロテイン
ホエイ(乳清)とは、乳からチーズを生成する過程で生まれる成分のことです。
チーズには不要なので副産物として扱われます。
ヨーグルトを放置しておくと表面に味の濃い汁が溜まっていますよね?
あれが乳清です。
牛乳に含まれるタンパク質は全体の3%ほどで、その2割(0.6%)がホエイたんぱく、残り8割(2.4%)が後述するカゼインたんぱくです。
ホエイプロテインの特徴は吸収のしやすさでしょう。
もちろん吸収効率は人それぞれ異なりますが、ざっくり、飲んでから1時間ほどで全身に取り込まれると考えられています。
その代わり、脂肪もつきやすく太りやすいデメリットももっているので、運動をあまりせずに飲むことはオススメしません。
しっかりと筋力トレーニングをするトレーニーにとっては最適なプロテインと言えるでしょう。
カゼイン(乾酪素)プロテイン
カゼイン(乾酪素)はホエイとともに牛乳から抽出されるタンパク成分です。
人間の母乳にも含まれており、人体を構成する必須アミノ酸9種類を全てもっている栄養価の高いたんぱく質です。
カゼインプロテインの特徴は吸収がゆっくりなところ。
飲んでから7~8時間ほどで全てが吸収されるので、就寝前に摂取して朝まで時間をかけて吸収させたい方に好まれています。
ソイ(大豆)プロテイン
ソイは大豆のこと。ホエイやカゼインと違って豆類由来のタンパク質になります。
植物性タンパク質なので、動物性タンパク質が体質的に合わない方が積極的に選んでいる気がします。
例えば、乳糖不耐症の方は乳製品由来のホエイやカゼインではお腹を下してしまいがち。
そのため、問題なく飲めるソイプロテインが好まれます。
デメリットは水に溶けにくいこと。
ダマになりやすいので、飲んだときに喉越しがよくないのです。
また、味もあんまり美味しくないのがソイプロテインの特徴。
味のレパートリーもそこまで多くありません。
プロテインは太るのか?
「プロテインを飲んだら太ってしまうのでは?」
女性のクライアント様によく聞かれることですが、半分正解、半分不正解みたいな感じなので、ここで改めてお話しておこうと思います。
三大栄養素が余れば太る
結論から申し上げると、「プロテイン=太る」わけではなく、ヒトがエネルギーに変換できる三大栄養素が余ると、体脂肪に代謝されて脂肪細胞に取り込まれていく、というのが正解です。
- 炭水化物
- タンパク質
- 脂質
プロテインじゃなくても、肉でもごはんでも、なんでも食べ過ぎたら太る、ただそれだけのことです。
もっとも太りやすいのは脂質
太る栄養と聞くと炭水化物をイメージする方が多いかもしれませんが、実際はタンパク質と炭水化物は同じエネルギー量です。
- 1gあたり4kcal
しかし、脂質は1gあたり9kcalのエネルギーを生むため、少しの量でも太りやすい栄養素です。
ちなみに、炭水化物についても、プロテインに含まれている量はわずかです。
お肉を食べて太るのは、実はタンパク質ではなく脂質が原因です。
良いお肉ほど脂質が多く、カロリーが高くなるからなのです。
プロテインは痩せやすい体づくりに不可欠
プロテインと言われているのは、正確にはプロテインパウダーと言って、たんぱく質をぎゅっと凝縮した粉のことです。
タンパク質は、痩せやすい体づくりのために必要不可欠な栄養です。
痩せやすい体とは、消費カロリーが多い体のこと。つまり基礎代謝が多いってことです。
基礎代謝とは、人体が生存するために自然と消費するカロリーのこと。心臓などの臓器を動かしたり、体温を上げたりするだけで消費されます。
基礎代謝は筋肉が多ければ多いほど高くなるので、やせやすい体になるには筋肉を増やす必要があります。
そして、筋肉はトレーニングをしてタンパク質を摂取することで増えていくのです。
筋肉を増やすためのタンパク質の量ですが、運動をしていない人でも1日に体重(g)の量を摂取しないといけません。
運動している人だとなおさら多く必要になるのですが、体重の1.6倍(g)~2倍(g)が必要になります。
プロテインを飲むタイミング
わかりやすさを重視して、タンパク質摂取をプロテインに頼っているケースを想定してご説明しています。
お食事でタンパク質が十分にとれている方は、そもそもプロテインを飲む必要がなかったり、飲む必要のない時間帯があったりするので、ご自身の食事内容に合わせて柔軟にご対応ください。
朝食前、昼食前、夕食前
朝食前にプロテインを摂取する理由は2つです。
- タンパク質を補給してカタボリックを止める
- 朝食による血糖値上昇を抑える
まず、朝は身体が栄養不足なので筋肉を分解するカタボリックが進んでいます。
それを止めるためにまずBCAAを飲んだほうがいいのですが、プロテインでも大丈夫です。
続いての効果は血糖値の抑制です。
イスラエルの大学による研究で、食事前にプロテインを摂取することでインスリン感応度が高まり、血糖値の上昇が大幅に抑えられることがわかっています。
参考:朝食時のホエイプロテインにはダイエット効果があるらしい
血糖値の上昇が抑えられると脂肪を蓄える機能も弱くなるので、ダイエットをしたい方にも食事前のプロテイン摂取はオススメです。
ランチから3~4時間以内
このタイミングでプロテインを摂取するのは、夕食までに空腹時間をつくらないことによるカタボリック抑制が目的です。
しかし、1日のタンパク質摂取量が十分で、「あとは夕食にタンパク質を摂取すればOKだぜ」という方は省略してくださって構いません。
余計な空腹時間をつくらないように、ヨーグルトとかこんにゃくゼリーなどの低カロリーのおやつを1つだけ食べましょう。
寝る1時間前くらい
起床時にプロテインを飲む理由は、空腹による筋肉の分解作用を抑制するためだと述べました。
就寝時のエネルギー不足を解消するための手段はもうひとつあります。
それは就寝前にプロテインを摂取しておくことです。
就寝前に吸収スピードの遅いプロテインを飲んでおくことで、寝ている間にゆっくりとタンパク質が吸収されていき、血中のアミノ酸濃度を保つことができます。
これによりカタボリックを防ぐことができ、起床時のプロテイン摂取と相まって、筋肉の分解をかなり抑制できるのです。
デメリット
就寝前のプロテイン摂取には、就寝中に消化器系が負担を受けるというデメリットがあります。1日のタンパク質摂取量が足りている方は、無理して就寝前に摂取する必要はありません。
僕は就寝前にはプロテインを摂取しません。
起床時に吸収の早いアミノ酸をすぐに摂取するよう心がけているのと、毎日の睡眠時間が5時間程度なので、就寝中に内蔵に負荷をかけるデメリットを排除しているのです。