生理学

筋収縮とは? ~Muscle contraction~

筋収縮とは? ~Muscle contraction~

ここでは「筋収縮(Muscle contraction)」についてお話をしています。

筋肉が収縮する仕組み

まずは、僕たちの筋肉がどのようにして収縮しているのか理解してきます。

アクチンがミオシン上を滑る

僕たちの筋肉は複数の層で包まれた構造になっており、もっとも小さい層を筋原線維(筋原繊維)といいます。

筋原線維(筋原繊維)はアクチンフィラメントとミオシンフィラメントで構成されていて、以下のような配置になっています。

アクチンとミオシンアクチンとミオシン

左右にある緑色のアクチンフィラメントが、朱色のミオシンフィラメント上を滑って中央に移動していくと、Z線が中央に引っ張られて筋肉が収縮していきます。

専門用語では、アクチンフィラメントがミオシンフィラメントを「平滑する」といいます。

筋肉は1方向に縮むだけ

医学に携わっている方以外では、トレーナーやボディビルダーにでもならない限り、筋肉の縮む性質を気にすることはないと思います。

そのため、一般的に広く誤解されていることも多いことを訂正しておきます。

誤った表現として「筋肉が伸び縮むする」という記述をみかけることがありますが、これは間違いと思います。

そもそも、筋肉は自分で伸びることはできません。前項(1-1)でお話した通り、アクチンフィラメントがミオシンフィラメント上を滑り込むことによって収縮できるのですが、その逆はできないのです。

収縮する際も1方向にしか縮むことができず、1つの筋肉が2つ以上の方向に縮むことはありません。

 

拮抗筋

筋肉は自分で伸びることができないとお話しましたが、では「曲げた肘はどうやって戻す」のでしょうか。

縮んだ筋肉が伸びるために必要不可欠な存在が、拮抗筋(きっこうきん)と呼ばれる筋肉です。

拮抗筋は特定の筋肉を指している用語ではなく、「ある筋肉を伸ばす方向に作用する筋肉」のことです。

例えば、二の腕にある上腕二頭筋の拮抗筋は、反対側にある上腕三頭筋です。逆に、上腕三頭筋の拮抗筋は上腕二頭筋となります。

 

筋収縮の種類

筋収縮と一口にいっても、実はいろいろな収縮の種類があります。ここからはそれぞれの収縮についてみていきます。

  1. 等尺性収縮
  2. 等張力性収縮
  3. 等速性収縮
  4. 増張力性収縮

等尺性収縮

等尺性収縮とは「筋肉の長さを変えずに筋力を発揮していく」収縮です。

胸の前で両手を合わせて押す動きや、握力計や背筋力計などを使った筋力測定時に等尺性収縮になります。

 

等張力性収縮

等張力性収縮は「一定の筋力を発揮し続ける」収縮です。一般的に行われている筋力トレーニングで使われている方法となります。

僕が追求している自宅で行う自重トレーニングも等張力性収縮に分類されます。自重だから常に負荷が変わらないからです。

等張は英語でアイソトニックです。アイソトニックトレーニングとは等張力性収縮を用いた筋トレのことです。

ただ、腕立て伏せを例に考えてみても、厳密には等張力性収縮にはなりません。

関節の角度が変わっていけば負荷も変わるし、筋肉は長さが変わると発揮される筋力が変わってしまう性質があるので、動作初期と動作終盤までの間に発揮される筋力は変化しています。

 

等速性収縮

等速性収縮とは「一定速度を維持しながら筋力を発揮する」収縮です。

この方法は収縮速度を一定にする装置を必要とするから、筋力トレーニングの実践的現場では行われません。だが計測方法として簡易なので、トレーニング科学の実験において用いられています。

 

増張力性収縮

増張力性収縮とは「徐々に筋力を大きくしていく」収縮方法です。

少しずつ負荷が高まっていくので、トレーニングチューブを使ったトレーニングが該当します。