本日はダンベルを使って大胸筋上部を鍛える筋トレ、インクラインダンベルプレスをご紹介します。
大胸筋の上部が鍛えられる
「インクライン・ダンベルベンチプレス」とも呼ばれるこの種目は、角度をつけたベンチを利用して行うダンベルプレスです。
そのため、特に大胸筋上部に強い刺激を与えることができます。
大胸筋上部が発達すると厚くて男らしい胸板が手に入るため、ぜひとも取り入れてほしい種目です。
インクライン・ダンベルプレスのやり方
インクライン・ダンベルベンチプレスで上手に大胸筋上部へと負荷を乗せるよう、正しいやり方を細かく解説していきます。
スタートポジション
- インクラインベンチを30-40度にセットする
- 両手にダンベルを持ち、仰向けになると同時に膝で蹴り上げる(オンザニーテクニック)
- 鎖骨の上でダンベルを保持し、肩甲骨を寄せて胸を張る
- 大胸筋上部が地面と平行になるのを意識しよう
正しいやり方
- 肘を曲げながらダンベルを鎖骨の横めがけて下ろしていく
- 大胸筋上部がストレッチされるまで下ろしたら一度止める
- 反動を使わずに、スタートポジションまでダンベルを押し上げる
- 左右のダンベルを近づけるようにして胸を寄せ、大胸筋上部を収縮させる
この動作を繰り返します。
目安として8~12回を最低でも3セットは行うようにします。
インクラインベンチを用意
インクライン・ダンベルプレスは、斜めに座った状態で行うトレーニングです。
そのため、斜め45度くらいに背もたれが固定できるようなインクラインベンチを用意してください。ジムにありますようなベンチでなくとも、背もたれが固定できれば問題ありません。

インクラインベンチ(例)
ご自宅にバランスボールをお持ちであれば、斜めにうまく寄りかかることでインクライン姿勢をつくることができます。
重量設定
インクライン・ベンチプレスは8~12回を目安に、最低でも3セットは行いましょう。
重量設定の目安としては、インクライン・ベンチプレスの80%が理想です。
なぜなら、ダンベルはバーベルに比べて可動域が広いというメリットがある反面、安定しないからです。
普段80kgでインクライン・ベンチプレスを行っているのであれば、64kg(片方32kg)のダンベルを利用しましょう。
ダンベルを肩に対して水平に構える

肩に対してダンベルを水平に
それではインクラインベンチに腰掛けましょう。
続いてダンベルを真横に持ち、脇をひらいて肩とダンベルが水平になるようにして構えます。
これで、インクライン・ダンベルプレスのスタートポジションの完成です。
効果を高めるコツ
- 肩甲骨をグッと寄せる。
- 腰を浮かせてアーチをつくる。
ダンベルをまっすぐ上に持ち上げる
ダンベルをもった両手をまっすぐ上に伸ばしていきます。背中を軸として考えると、腕を斜め上に押し出している形になります。
腕を伸ばしきったら、元の位置になるまでダンベルを下ろしていきます。これで1回です。
筋トレ効果を高めるコツ
インクライン・ダンベルベンチプレスで効率よく大胸筋上部へ効かせるためのコツを3つ紹介していきます。
①鎖骨ラインに合わせて上下させる
まず一つ目のコツは、鎖骨のラインで上下させるという点です。
なぜなら、大胸筋上部は鎖骨付近に付着している筋肉だからです。
そのため、常に同じ軌道で上下をすることで大胸筋じに負荷を乗せ続けることができます。
反対に、軌道がブレてしまうと大胸筋上部から負荷が逃げてしまうため注意しましょう。
②筋線維のストレッチを意識する
続いて二つ目のコツは、ストレッチを意識することです。
インクライン・ダンベルベンチプレスは可動域を広くとれるメリットがあるため、大胸筋上部にストレッチをかけることができます。
大胸筋上部が最大ストレッチされるのは、ダンベルが体よりも少し下に来た場所です。
そのため、ボトムポジションで1~2秒停止して大胸筋が伸びている感覚を掴もう。
③収縮を意識する
最後3つ目のコツは、収縮を意識することです。
インクライン・ダンベルベンチプレスは可動域が広いと説明しましたが、これは大胸筋上部に対して収縮も与えることができるということです。
大胸筋上部は胸を寄せた際に収縮されるため、ダンベルを挙上した際に両胸を内側に寄せる意識で動作を行いましょう。
注意点、よくある間違い
続いて、インクライン・ダンベルベンチプレスを行う上でよくある間違いや注意点を3つ紹介していきます。
①反動を利用している
まず一つ目のよくある間違いは、切り返しの際に反動を利用している点です。
先ほど効果を高めるコツで、いかに大胸筋上部へ負荷を乗せ続けるかが大切かと説明しました。
しかし反動を利用した場合は、その瞬間に負荷が抜けてしまいます。
そのため切り返しの際は一度止め、丁寧に押し戻していくことを意識しましょう。
②肘を伸ばしきっている
続いて2つ目のよくある間違いはダンベルを挙上した際に肘を伸ばしきってしまうことです。
これも反動と同じように大胸筋上部から負荷が抜けてしまいます。
さらに、肘を伸ばすと肘関節への負荷が高まり怪我の危険性もあります。
肘はほとんどのトレーニング種目で使用する部位であるため、怪我をすると支障が出てしまいます。
そのため、肘は伸ばしきらずに軽く曲げた状態をキープしましょう。
③ベンチの角度が高すぎる
最後3つ目のよくある間違いは、ベンチの角度が高すぎるという点です。
ベンチの角度が高すぎると、ダンベルショルダープレスのような形になり、大胸筋上部ではなく三角筋への負荷も強まってしまいます。
ブリッジを組んだ時に大胸筋上部と地面が平行になる角度を目安に、ベンチをセットしましょう。
バリエーション祝
インクライン・ダンベルベンチプレスとよく似た動作のバリエーションをいくつか紹介していきます。
インクラインベンチプレス
インクラインベンチプレスは、インクライン・ダンベルベンチプレスのバーベルバージョンです。
スタートポジション
- ベンチの角度を30-40度にセットし、仰向けになる
- 肩幅を目安にバーベルを握り、ラックアップする
- 鎖骨のラインでバーベルを保持し、肩甲骨を寄せてしっかりと胸を張る
正しいやり方
- 鎖骨めがけてゆっくりとバーベルを下ろしていく
- バーベルが鎖骨に着く手前で一度止め、大胸筋上部をストレッチさせる
- 同じ軌道でバーベルを押し戻していき、肘が伸びきる直前で止める
この動作を繰り返します。
インクライン・ダンベルベンチプレスでは可動域が広い分、バランスを取らなければならず高重量を扱いにくいという課題がありました。
しかし、インクラインベンチプレスは両手でバーベルを握るため安定感が増し、より高重量を扱うことができます。
ポイントとしてはインクライン・ダンベルベンチプレスと同様に軌道を一定に保つこと、常に大胸筋上部へ負荷をかけ続けることです。
また、通常のベンチプレスよりも手幅を少しだけ狭くすることで、ボトムポジションで大胸筋上部へのストレッチを強くすることができます。
スミスマシン・インクラインベンチプレス
その名の通りスミスマシンを利用したインクラインベンチプレスです。
スタートポジション
- ベンチの角度を30-40度にセットし、仰向けになる
- 肩幅を目安にスミスマシンのバーベルを握り、ラックアップする
- グリップは親指を巻かないサムレスグリップがオススメ
- 鎖骨のラインでバーベルを保持し、肩甲骨を寄せてしっかりと胸を張る
正しいやり方
- 鎖骨めがけてゆっくりとバーを下ろしていく
- バーが大胸筋上部に着く手前で一度止め、ストレッチを意識する
- 真上に押し上げていき、肘が伸びきる手前で切り返す
この動作を繰り返します。
インクライン・ダンベルベンチプレス、.インクラインベンチプレスともに、いかに大胸筋上部へと負荷をかけ続けることが大切かと説明してきました。
しかし、頭でわかっていてもこの負荷を乗せ続けるという感覚をつかむのは難しい。
なぜなら、両種目とも軌道が安定しないからです。
そこでオススメなのが、スミスマシンです。
スミスマシンは軌道が一定のためバランスをとる必要がなく、大胸筋上部へと一番負荷をかけやすい。
まずはスミスマシンで大胸筋上部に効いています感覚を掴んでから他の種目に挑戦してみるのもオススメです。