【飲む肌ケア】グルコシルセラミドの効果を研究論文で解説!

グルコシルセラミドの効果を研究した論文を調べてみました!

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慶應義塾大学商学部卒業。フリーで活動するパーソナルトレーナー。渋谷や新宿、六本木を拠点に活動しています(東京23区は対応可能)。

美容に少しでも興味がある女性であれば、「セラミド」という言葉を一度は聞いたことがあると思います。

最近では美容男子も増えているので、かなり知名度が高くなっているかもしれませんね。

「セラミド」は肌の保湿力の高めてくれる超有効な化粧品成分です。

そして、「グルコシルセラミド」とはセラミドの1種の成分です。

この記事では、セラミドの1種類である「グルコシルセラミド」がもつ美容効果を研究論文から明らかにしていき、私たちにとってどんなメリットがあるのか解説していきます。

同時に、セラミドとグルコシルセラミドにどんな違いがあるのかについても、合わせて解説できればいいなと考えております。

グルコシルセラミドのサプリ

最近、電車の広告でも見かけることが多くなった資生堂さんの健康食品『飲む肌ケア』。

こんにゃく由来のグルコシルセラミドがお肌の水分を逃がさない働きをするため、乾燥を防ぐ保湿効果があるということで女性に人気がでているようです。

飲む肌ケア
Yoshio
今回は、このグルコシルセラミドの効果を研究した論文をレビューしていきます。

資生堂リサーチセンター(2012)

まずは飲む肌ケアを製造・販売している資生堂さんの研究開発拠点、資生堂リサーチセンターの研究論文をみていきます。

論文タイトル

論文タイトルは「Orally administered glucosylceramide improves the skin barrier function by upregulating genes associated with the tight junction and cornified envelope formation.」

日本語に意訳すると、「経口投与されたグルコシルセラミドは、遺伝社を増加させることで肌のバリア機能を改善する。」という意味になります。

この論文の目的は、こんにゃく属に多く含まれているグルコシルセラミドが肌のバリア機能に与える影響を明らかにすることです。

 

測定方法

本実験ではマイクロアレイが用いられました。

補足

マイクロアレイは英語でMicroarrayと書き、Microは「微小な・わずかな」という意味で、arrayは「大群・整列」という意味になります。

マイクロアレイを用いて、SDS処理を施したマウスの背中の皮膚におけるメッセンジャーRNA(mRNA)の発現を分析したそうです。

補足

メッセンジャーRNA(mRNA)はDNAからコピーした設計図をもっており、この設計図にしたがってタンパク質が合成されます。

mRNAのもっている遺伝情報に基づいてタンパク質が合成されるこの反応を、生物学では「翻訳」と表現します。

 

実験結果

この実験はマウスを使って行われました。まず、マウスの肌にSDS処理を施すことで人工的な肌荒れを作り出します。

補足

SDS処理とは不完全な角質層をつくることを目的に、界面活性剤であるドデシル硫酸ナトリウム(SDS)水溶液を貼り付けて刺激を与えることで、肌のターンオーバーを強制的に促進させる方法です。

通常、このような不完全な角質になると肌からうしな分ける水分量が増すのですが、事前にグルコシルセラミドを経口投与していたマウスは、そうでないマウスと比べて失われた水分量が明らかに少なくなったとのことです。

この実験で用いられていたグルコシルセラミドはこんにゃくから抽出されたものでした。なので、資生堂さんはこんにゃく由来のグルコシルセラミドを『飲む肌ケア』として製造販売しているようですね。

飲む肌ケア

 

東京農工大学の研究論文(2013)

論文タイトルと研究主体

次にレビューする論文タイトルは『Dietary glucosylceramide enhances tight junction function in skin epidermis via induction of claudin-1』です。

日本語に意訳するとしたら「グルコシルセラミドの経口投与は、クローディン1の誘導を通じて皮膚表面における密着結合機能を高める」となるでしょう。

英語ノート

  • Dietary:経口投与
  • glucosylceramide:グルコシルセラミド
  • enhance:高める
  • tight junction function:密着結合機能
  • in skin epidermis:皮膚表面における
  • via:通じて
  • induction of claudin-1:クローディン1の誘導

続いてこの研究論文を書いた方々を明らかにしましょう。

論文のAuther(著者)欄に記載されている内容は以下です。

Tokyo University of Agriculture and Technology, Faculty of Agriculture, Scleroprotein and Leather Research Institute, Tokyo, Japan.

Source:National Center for Biotechnology Information

Tokyo University of Agriculture and Technologyとは東京農工大学のことです。

Faculty of Agricultureは農学部、Scleroprotein and Leather Research Instituteは硬蛋白質利用研究施設を意味しているので、以上の3点をまとめて「東京農工大学農学部付属 硬蛋白質利用研究施設」という日本語訳で良いでしょう。

硬蛋白質利用研究施設は、コラーゲンをはじめとする硬タンパク質とこれに関連する生体分子について、基礎から応用にわたる動物資源の高度利用を複合的、総合的に発展させることを目的として、硬蛋白質基礎研究部門および皮革研究部門で構成されています。

Source:硬蛋白質利用研究施設のホームページ

 

論文内容を紐解く前に

論文の内容を読み解いて行く前に、よく登場する言葉について書かれている文章を読んでいきます。

グルコシルセラミドについて

Glucosylceramide, which is composed of sphingoid bases, long-chain fatty acids, and sugar moieties, is an essential structural component of mammalian cell membranes, and is present on the surfaces of most cells.

この文章は本論の出だしです。専門用語が多くてきついですが、がんばって和訳していきます。

「スフィンゴイド塩基・長鎖脂肪酸・糖残基で構成されるグルコシルセラミドは、哺乳類の細胞膜に不可欠な構造要素の1つで、ほとんどの細胞膜上に存在している。」

英語ノート

  • be composed of ~:~ で構成されている
  • sphingoid bases:スフィンゴイド塩基
  • long-chain fatty acids:長鎖脂肪酸
  • sugar moieties:糖残基
  • structural component:構造要素
  • mammalian cell membranes:哺乳類の細胞膜
  • be present on ~:~上に存在している
Yoshio
この文はグルコシルセラミドの説明ですが、これだけでは私のような一般人にはわかりませんから、さらに読み進めていきます。

It has functions in immunomodulation and insulin resistance. and also enhances skin barrier function by acting as an intracellular lipid.

「グルコシルセラミドは免疫調整とインスリンを抑制する働きをもっており、また、細胞内の脂質として働くことで皮膚のバリア機能を高める。」

英語ノート

  • immunomodulation:免疫調整
  • insulin resistance:インスリン抑制
  • skin barrier function:皮膚のバリア機能
  • intracellular lipid:細胞内の脂質
Yoshio
これで少しグルコシルセラミドの働きについて知ることができました。

 

皮膚のバリア機能について

グルコシルセラミドの働きの1つに「皮膚バリアを高める」というものがあります。続いては皮膚バリアに関する文章です。

The skin barrier provides protection against extracellular stimuli, ultraviolet light, chemical substances and microorganisms, and prevents loss of water. The barrier function is localized mainly in the stratum corneum, which consists of the cornified envelope and intercellular multilamellar lipids.

「皮膚バリアは、細胞外からの刺激や紫外線・化学物質・微生物から保護し、また水分の損失も防ぐ。」

英語ノート

  • protection:保護
  • extracellular:細胞外の
  • stimuli:刺激
  • ultraviolet light:紫外線
  • chemical substances:化学物質
  • microorganisms:微生物

続いて以下の文。

The barrier function is localized mainly in the stratum corneum, which consists of the cornified envelope and intercellular multilamellar lipids.

「バリア機能は主に、周辺帯と細胞内多重膜脂質で構成された角質層が担っている。」

英語ノート

  • stratum corneum:角質層
  • cornified envelope:周辺帯
  • multilamellar lipids:多重膜脂質(?)
Yoshio
角質層が主に担っている皮膚のバリア機能によって、私たちの肌は紫外線などの外界からの刺激から守られているということですね。

 

密着結合について

続いて、本論文でよく登場する密着結合について書かれた文章を読み解きます。

Tight junctions in the granular layer of the epidermis also contribute to skin barrier function by regulating paracellular permeability.

だんだんと専門的な内容が濃くなってきたので、ここからはざっくりと和訳していきます。

「表皮の果粒層における密着結合もまた、傍細胞透過性を統制することで皮膚のバリア機能に貢献する。」

英語ノート

  • tight junctions:密着結合
  • epidermis:表皮
  • regulate:規制、統制
  • paracellular permeability:傍細胞透過性

ちなみに密着結合とは、他の分子が細胞間を通過しないようにするために細胞同士がくっつく現象です。

 

論文の内容

それでは、本研究の本筋について書かれている文章を読み解いていきます。

実験概要

まずは、本研究で行われた実験内容を細かくみていきましょう。

Hairless male mice (HR-1) were purchased from Hoshino Laboratory Animals (Ibaraki, Japan). Five- week-old HR-1 mice were allocated randomly to two groups, adjusted to the same average weight, and fed the AIN-93G rodent diet (Oriental Yeast, Tokyo).

「無毛の雄マウス(以下、HR-1)を星野試験動物飼育所から購入した。生まれて5週間のHR-1マウス達をランダムに2グループに分類し、AIN-93Gを与えつつ平均体重を同じ値に調整した。」

Yoshio
なるほど。実験用マウスを販売している企業があるんですね。

 

GlcCer from konjac tubers, plants of the genus Amorphophallus was prepared as an aqueous suspension in 1% tragacanth gum and administered orally at 0.25 mg/d to the mice.

「コンニャク属由来のグルコシルセラミドを1%含んだタラカントガムを、マウスに対して1日あたり0.25mg経口投与した。」

 

After 2 weeks, each mouse was irradiated with a single dose of UVB (150 mJ/cm2), and dorsal skin samples were taken at various durations thereafter for immunohistological analysis.

「2週間後、それぞれのマウスに紫外線B波を1回照射し、サンプルとして採取した背中の皮膚を免疫組織学的分析にかけた。」

 

We observed that the epidermal thickness had increased at 4d after UVB irradiation (Fig. 1B, C).

Claudin-1 was initially localized linearly at cell-cell borders throughout the epidermis (Fig. 1A), but 4d after UVB irradiation, it was distributed intermittently at cell-cell borders, and the intensity of immunostaining was weaker in the mice that did not receive GlcCer (Fig. 1B).

「紫外線B波を照射して4日後、表皮の厚さが増加していることを明らかにした(図1.BとC)。

クローディン1は最初、表皮全体にわたって細胞同士の境界で直線的に分布されていた(図1.A)。しかし、グルコシルセラミドを投与したマウスはでは、細胞同士の境界において断続的に分布され、免疫染色も弱くなっていた(図1.B)。」

Yoshio
うむ、、、和訳してもほとんど意味がわかりませんので、続きの文章を読んでみます。

 

Thus the localization and expression of claudin-1 in the epidermis were altered by UVB irradiation.
Similar developments have been reported for the human skin of early-stage psoriasis patients, but in the mice that received GlcCer orally for 14 consecutive days before UVB exposure, claudin-1 staining intensity was stronger in the upper epidermis, and the continuity of staining was improved at 4 d after UVB-irradiation as compared with the control group exposed to UVB (Fig. 1C)

Although a single dose of UVB irradiation perturbs the skin barrier in hairless mice and causes an increase in TEWL at 4d after irradiation, oral admin- istration of GlcCer dramatically reduced TEWL at 4d after irradiation in our previous study.

「このようにして、表皮におけるクローディン1の分布と発現は紫外線B波の照射によって変化する。
類似の反応は初期の乾癬患者の皮膚でも発生すると報告されているが、紫外線B波の照射前にグルコシルセラミドを14日連続で投与されていたマウスでは、表皮上層におけるクローディン1の染色力がより強く、また染色の継続性が改善されていた(図1.C)。」

 

In the present study, we observed that the localization and expression of claudin-1 in the epidermis were improved by dietary GlcCer at 4d after irradiation, and this coincided with the GlcCer-induced improvement in transepidermal water loss.

It has also been reported that claudin-1 is important for the later recovery of tight junctions barrier function following UVB radiation in mice.

「本研究では、グルコシルセラミドの摂取によって、照射4日後の表皮におけるクローディン1の分布と発現の改善ととも、表皮からの水分喪失も改善されることを明らかにした。

また、紫外線B波の照射に対する密着結合のバリア機能の回復において、クローディン1が重要であることも報告された。」

Yoshio
これはつまり、グルコシルセラミドを摂取によって、紫外線を浴びたあとのお肌の水分減少が改善されるということです。

 

結論

長くなりましたが、本研究の結論部を読んでいきましょう。

In conclusion, our results indicate that skin barrier improvement in response to oral GlcCer treatment might be at least partly due to improvement of the TJ permeability function in the epidermis, mediated by increased expression of claudin-1 induced by sphingoid bases metabolically derived from GlcCer.

「グルコシルセラミドの経口投与によるこの皮膚バリアの改善反応は、スフィンゴイド塩基から代謝された物質によって誘発されたクローディン1の増加による、密着結合の透過機能改善が部分的に作用しているのかもしれない。」

Yoshio
やはり和訳してもよくわかりませんので、簡単に言い直してみましょう。

おそらくこの論文の結論は、

  1. グルコシルセラミドの摂取
  2. クローディン1の増加と断片的な分布
  3. 細胞同士の結合が改善
  4. 皮膚のバリア機能の改善

という流れになるのだと思います。

長々と説明してまいりましたが、結局はグルコシルセラミドを摂取することが皮膚のバリア機能改善につながることが証明されたということですね。







グルコシルセラミドの効果を研究した論文を調べてみました!

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