この記事では、アイブライトについて解説していきます。
アイブライトはゴマノハグサ科に属する一年草のことです。
太古の昔から目に効く薬効があるハーブとして、庶民の間で愛されきたという歴史があります。
アイブライトの成分は、お湯に溶かすことよって簡単にお茶にできるので、ハーブティーとして飲んで楽しむことが一般的です。
目の粘膜の炎症を治してくれるので、パソコン作業や本を読みすぎて疲れた目や、花粉症やハウスダウトによるアレルギーが原因のかゆみによく効きます。
- 目の疲れや異常を解消します。
- アレルギー症状を緩和します。
- 糖尿病のリスクを下げる。
アイブライトの概要
まずはアイブライトの概要から理解していきましょう。
アイブライトはゴマノハグサ科に属する一年草です。一年草とは、芽を出して枯れるまでの期間が1年しかない植物のことです。
Eye Bright = 輝く目
アイブライトの由来は「輝く目」を意味するEye Brightという英語です。
「目がまるで輝いてるかのように綺麗になる」という想いが込められているそうです。
この名前がつけられていることから、昔から目に効く植物だと知られていたということがわかりますね。
日本語での正式名称は和名と表現しますが、アイブライトの和名は「セイヨウコゴメグサ」もしくは「ヤクヨウコゴメグサ」といいます。
一方で、植物学における名称(学名)は、「Euphrasia officinalis」といいます。
「Euphrasia officinalis」の由来は、ギリシャ神話でアフロディーテー(Aphrodite)に仕えていた3神のカリウス(三美神)の1神であるエウプロシュネー(Euphrosyne)がもとになっています。
2つの和名に共通している”コゴメグサ”という言葉は、お米の粒のような小ささを意味しています。
コゴメグサ属はゴマノハグサ科の下位概念です。
アイブライトの歴史
アイブライトは、古代ギリシャの学者で「植物学の祖」とも呼ばれているテオプラストスが、目の感染症に対処するための外用浸剤(生薬に熱湯を注いで成分を浸出させた飲み薬)として処方していたという記録が、現時点でもっとも古いものとされるアイブライトの使い方です。
1300年代のフランスではCasse Lunette(めがねの壊し屋)と呼ばれていて、医学書には全ての眼の病に効果があると書かれていたそうで、その結果、結膜炎・眼瞼炎・麦粒腫の外用治療薬として処方されていました。
また、少し離れたロシアでも民間療法として疲れ目を回復する目的に用いられていました。
アイブライトの成分
それでは、アイブライトに含まれる成分をみていきましょう。
目にいいとされているアイブライトなので、仕事柄デスクワークの多い僕としては興味があります。
アウクビン
分子式:C15 H22 O9
アウクビンはイリドイドの1種です。
イリドイドは多くの薬用植物に存在しているグリコシドと呼ばれる成分です。グリコシドとは、糖がグリコシド結合によって様々な原子の集合体とくっついています成分です。
抗炎症効果があると考えられているため、アイブライトでは結膜炎といった眼精疾患を改善すると言われています。
ケルセチン
ケルセチンは、果物や野菜などに含まれるポリフェノールの1種です。
また、黄色の色素であるフラボノイドとしても定義されていて、体内に入るとまるでビタミンのような働きをするため、ビタミン様物質とも呼ばれています。
そのため、発見当初はビタミンと勘違いされていて、ビタミンPと名付けられました。
毛細血管を強くして血流を改善する働きのほか、抗炎症作用もあると考えられています。
アピゲニン
アピゲニンは、様々な植物に含まれるフラボンの1種です。
2009年に発表された学術論文で、「細胞による細胞内タンパク質を分解するメカニズム(オートファジー)」を促進する働きをもっていることが明らかになりました。
オートファジーは、細胞内のタンパク質量が異常にたまることを予防したり、もしタンパク質が過剰に合成されたときや、身体の栄養バランスが悪くなったときにタンパク質の再利用を行う働きがあります。
タンニン
タンニンはフラボノイドの1種です。
お茶やワインなどに多く含まれています。