このページでは、肩を代表する筋肉の三角筋を鍛える筋トレメニューである、「サイドレイズ」の筋肥大効果を最大化する方法論を考察しています。
サイドレイズで鍛えられる筋肉
「サイドレイズ」では三角筋が鍛えられます。
三角筋は面積の広い筋肉なので、前部・中部・後部の3つに分類して考えるほうがよいでしょう。
そしてこのうち、「サイドレイズ」によって集中的に鍛えられるのは三角筋中部です。
前部と後部にはあまり刺激が入らないのですが、この3つの部位は密接に関係している(というかそもそも1つの筋肉)ので、それぞれの特徴と役割を見ていきましょう。
三角筋前部
三角筋前部は、肩の前に付着している筋肉のため、発達することで正面から見た際に迫力のある肩周りを演出できます。
三角筋前部の起始は鎖骨の外側1/3で停止は上腕骨です。
つまりこの2点を近づけることで収縮し、遠ざけることでストレッチをかけることができるということです。
三角筋前部の主な役割としては、肩関節の屈曲と内旋が挙げられます。
この中でもわかりやすいのが、肩関節の屈曲です。
上腕を前に持ち上げる動作であり、ダンベルフロントレイズの動きそのままです。
よくフロントレイズで肩と顔を近づけるようにして行っている人がいるが、これは先ほど説明した起始と停止を近づけてより強い収縮感を得るためです。
三角筋中部
三角筋中部は「ダンベルサイドレイズ」で鍛えられる部位であり、肩のちょうど真横に付着しています。
そのため、ここが発達することで物理的に肩幅を広くできます。
三角筋中部の起始は肩峰で停止は上腕骨です。つまり三角筋中部も、この2点を近づけたり遠ざけることにより鍛えることができます。
また、三角筋中部の主な役割は肩関節の外転で、これは上腕を真横に持ち上げていく動作です。
「ダンベルサイドレイズ」のフォームに関しては後ほど解説しますが、ダンベルを持った状態で行う肩関節の外転動作そのままです。
三角筋後部
三角筋後部は肩の真後ろに付着している筋肉です。
自分では見えないため鍛える優先度としては低くなりがちですが、三角筋後部が発達すると目に見えて後ろからのシルエットが変わります。
また、前部と中部ばかりが発達すると肩周りのバランスが悪くなってしまうので、三角筋後部もしっかりと鍛えましょう。
三角筋後部の役割は肩関節の伸展と水平外転で、起止は肩甲骨の下で、停止は上腕骨です。
伸展は腕を後ろに引く動作で、水平外転は、上腕を水平に挙げた状態で外転動作を行っています。
水平外転は言葉で説明すると分かりづらいですが、リアレイズの動作そのままです。
ダンベルサイドレイズの正しいやり方
「ダンベルサイドレイズ」の動作自体はとても簡単なのですが、三角筋中部にピンポイントで効かせるにはコツがいります。
正しいフォームと効かせ方のコツをご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
- 足を肩幅に開き、膝を軽く曲げて立つ
- この時、直立ではなく軽く前傾姿勢になる
- ダンベルを両手に持ち、体側にセット
- ここがスタートポジション
- 上腕を真横に挙げるようにし、ダンベルを挙上していく
- ダンベルが地面と平行となる場所まで上げ、三角筋中部をしっかりと収縮させる
- ゆっくりとダンベルを下ろしていく
- 三角筋中部から負荷が抜けきる直前で再度切り返していく
ダンベルサイドレイズの効果を高めるコツ
「ダンベルサイドレイズ」で、三角筋中部にピンポイントで効かせるコツを3つ挙げましょう。
コツ① ネガティブ動作を意識する
「ダンベルサイドレイズ」を行う際は、ダンベルを持ち上げてから戻す際に、ネガティブ動作を意識しましょう。
よく挙上時だけ丁寧に行い、下ろす際にストンと戻す方がいるがこれでは効果が半減してしまいます。
なるべくゆっくりと、重力に逆らって耐えながら下ろしていきましょう。三角筋中部に負荷が乗っている時間を長くするイメージです。
コツ② ダンベルは握り込まない
サイドレイズを行う際、ダンベルを握り込んでしまうと三角筋中部よりも先に前腕が疲れてしまいます。
なるべく前腕に負荷をかけぬよう、ダンベルは強く握り込まないことを意識しましょう。
第1~第2関節でダンベルを引っ掛けるようにして動作を行うと、前腕は疲労せず三角筋中部へと集中できます。
コツ③ 肘から引き上げるイメージ
動作中にダンベルを挙げる意識で行うと肩がすくみやすくなってしまいます。
ダンベルを挙げるのではなく、肘からあげる意識で動作を行うと無駄な力が入らず三角筋中部にピンポイントで効かせることができます。
ダンベルサイドレイズの注意点・よくある間違い
それでは、「ダンベルサイドレイズ」を行う際に気をつけるべき注意点を3つ挙げましょう。
注意点① 反動を使わない
サイドレイズを行う際に、反動を使わないよう注意しましょう。
レップの後半、きつくなってくると反動を使ってしまいがちです。
あえてチーティングを利用し高重量でネガティブ動作を耐えるという方法もありますが、これはどちらかというと上級者向けです。
フォームが固まるまでは反動を使わずに膝の角度は固定し、なるべくストリクトに動作を行いましょう。
注意点② 肩甲骨を上下させない(肩をあげない)
サイドレイズでありがちなのが、僧帽筋へと負荷が抜けてしまうことです。
これは、サイドレイズの動作中に肩が上下してしまっていることが原因です。
肩の上下、つまり肩甲骨の上下は僧帽筋の主な役割です。
サイドレイズでなるべく僧帽筋を使わないために、動作中は常に肩甲骨を固定した状態を意識しましょう。
また、腕を高い位置まで上げすぎてしまうと自然に肩甲骨も上がってしまうため、上腕の上げすぎにも注意しましょう。
どうしても肩が上がってしまう人は、もしかしたら腕をまっすぐに伸ばしきっている可能性があります。
肘を少しだけ曲げておくと、腕をあげても僧帽筋が上がらなくて済みます。
注意点③ 猫背にならない
サイドレイズの動作中、猫背になってしまうとうまく三角筋中部に効かせることができません。
スタートポジションでしっかりと胸を張り、動作中は常にその状態をキープするよう心がけましょう。
注意点④ 腕は水平になるまで
持ち上げる高さは、腕が水平になるまでです。
それ以上持ち上げてしまうと、肩を痛めるリスクのほうが大きくなってしまいます。
三角筋は複数の骨に付着している筋肉なので、一度でも痛めてしまうとなかなか治ってくれません。
すぐに鍛えたい気持ちはわかりますが、ケガをすると元も子もないのでは無理しないほうがいいでしょう。
サイドレイズのバリエーション
通常のダンベルサイドベントに慣れてきた方のために、バリエーションをいくつか紹介します。
様々な角度から刺激を与えることにより、効率良く三角筋中部を発達させましょう。
ケーブル・サイドレイズ
ケーブル・サイドレイズとは、その名の通りケーブルマシンを用いて行うサイドレイズです。
- ケーブルの位置を一番下にセット
- マシンの横に直立し、片手でケーブルを持つ
- マシンを片手で持ち、身体を斜めにする
- 通常のサイドレイズ同様、手に持ったケーブルを上げていく
- 三角筋中部の収縮を感じたら、ゆっくりと戻す
ケーブルを使うことにより、常に負荷をかけ続けることができます。
また、左右別々で動作を行うため、より集中して三角筋中部へ効かせることができます。
通常のダンベルサイドレイズと同じように反動を使わず、一回一回のレップを丁寧に行いましょう。
シーテッド・サイドレイズ
通常のサイドレイズはスタンディングで行いますが、シーテッドサイドレイズはベンチに座った状態で動作を行う種目です。
- 背もたれを立てたベンチを用意し腰掛ける
- 両手にダンベルを持ち、体側にセット
- 背もたれに背中をつけた状態でダンベルを真横に上げる
- 三角筋中部の収縮をしっかりと感じたら、ゆっくりと下ろす
座った状態で行うことで、反動を使わずより厳しく動作を行えます。
背中を背もたれに固定していないと反動が使えてしまうため、深く腰掛けた状態で動作を行いましょう。
まとめ
今回は三角筋中部を鍛えられるサイドレイズの正しいフォームと効かせ方のポイント、そしてバリエーションまで紹介しました。
三角筋中部は鍛えることで男らしい肩幅を手に入れることができます。
フォーム自体も簡単で初心者の方にもオススメな種目のため、今回紹介したサイドレイズをぜひ試してみてください。