この記事ではダンベルプレスの1種類であるデクライン・ダンベルプレスをご紹介します。
男らしい胸をつくるために大胸筋を鍛えたい男性は多いでしょう。
そんな大胸筋を自宅でも鍛えられるダンベルプレスは、胸トレーニングの中でも人気の筋トレ種目ですが、実は姿勢によって鍛えられる部位に違いがあるため、角度に応じて異なる名前がつけられています。
今回は、そのバリエーションの1つであるデクライン・ダンベルプレスについて解説します。
デクライン・ダンベルプレスとは
デクライン・ダンベルプレスは大胸筋の下部を鍛えるために適したトレーニング種目です。
デクラインという単語自体が聞きなれないと思いますが、効果的に負荷を与えられるのでぜひやってみてほしい
デクライン = 「低下している」
デクライン・ダンベルプレスとは、ざっくりいうとデクラインな状態で行うダンベルプレスです。
デクラインは英語でdeclineと書く形容詞で、日本語で「低下している」という意味があります。
下のイラストがデクライン・ダンベルプレスのイメージなのですが、ご覧の通り、頭が下半身よりも低い状態で行うことが特徴です。

デクライン・ダンベルプレス
つまりデクライン・ダンベルプレスとは、頭が足よりも低い位置にある状態で行うダンベルプレスです。
デクライン・ダンベルプレスの効果
デクライン・ダンベルプレスは大胸筋を鍛えたい方にやっていただきたいトレーニング種目の1種です。
複数の関節を同時に動かすコンパウンド種目(多関節種目)というトレーニングでもあり、1度の可動で複数の筋肉を刺激できるメリットがあります。
寄与する関節
デクライン・ダンベルプレスでは肘関節と肩関節が寄与します。
①大胸筋
大胸筋は、胸を構成するもっとも大きな筋肉です。
男性ならハリウッドスターのようなたくましく分厚い胸板をつくることができ、女性なら加齢によりバストが低下することを防ぐバストアップ効果があります。

大胸筋の位置
②上腕三頭筋
腕を伸ばすことで上腕三頭筋を収縮させて鍛えることができます。
トライセプス・キックバックやトライセプス・エクステンションと比べると、少しばかり大胸筋よりではありますが、大胸筋と一緒に上腕三頭筋に負荷をかけることができます。
バーベル版との違い
バーベルを使って行うデクライン・バーベルプレスとの違いは以下です。
- ダンベルだと左右差が明らかになる
- 片手でバランスをとる筋肉も発達する
デクライン・ダンベルプレスのやり方
それではデクライン・ダンベルプレスを始めていきましょう。
デクラインベンチの準備
デクライン・ダンベルプレスのためには、頭を下半身よりも低くする必要があります。
ただ、デクライン姿勢が可能なベンチはジムでもあまり見かけないので、普通のベンチでやるか、床を使ってやる方法を習得したほうが効率的です。
インクライン、フラット、デクライン全てが可能なベンチはコチラです↓
ベンチか床に仰向けになり足を曲げる
ここからはデクライン用のベンチがない前提でお話しを進めます。
まずはダンベルを持ってお腹や胸のあたりにのせます。
そして、ベンチがある方はベンチに、何もない方は床に仰向けの状態で横になって足を折り曲げる。

ダンベルをもち床に仰向けになる
補足
ダンベルが重たすぎる場合は、体勢を整えてからパートナーに1個ずつ持たせてもらうことをオススメします。
腰をあげて空間をつくる
そのまま腰を上げて空間をつくります。
本来ならデクラインベンチで行うこの動作を、がんばって自力でやるわけですね。
お尻の大殿筋をキュっと締めるイメージです。
この体勢そのものがツラいという方は、床と腰のあいだにバランスボールなどを置いて腰にかかる負担を減らしましょう。
ダンベルをまっすぐ持ち上げる
この体勢のまま、息を吐きながらダンベルをまっすぐ持ち上げます。
呼吸を止めると血圧が上昇して危険ですので、息を止めずに上下させてください。

ダンベルをまっすぐ持ち上げる
デクライン・ダンベルプレスのコツ
下ろす時はゆっくり
ダンベルを上にあげるときのスピードを1とした場合、下ろす時のスピードは2~3倍にしてください。
ダンベルを下ろす時には、大胸筋と上腕三頭筋で小さくブレーキをかけています。
大胸筋や上腕三頭筋の遅筋線維がダメージを受けるので、さらに効果的に鍛えられるのです。
あとがき
本日はダンベルプレスの変形トレーニングとして、デクライン・ダンベルプレスをご紹介いたしました。
大胸筋を鍛える方法といえばベンチプレスやダンベルプレスがメジャーですが、角度や方法をちょっと変えるだけで負荷のかかる部位をコントロールしできます。
- インクライン・ダンベルプレス → 大胸筋上部
- フラット・ダンベルプレス → 大胸筋中部
- デクライン・ダンベルプレス → 大胸筋下部
デクライン・ダンベルプレスは大胸筋下部のラインをつくるためにとても効くので、ぜひ取り入れてみてくださいね。

大胸筋下部のライン