この記事では、全く器具を使わずにご自宅で腹筋を鍛えられる筋トレ種目の『クランチ』をご紹介します。
アスリートやボディビルダーでなくとも、腹筋が割れたシックスパックは憧れと思います。
このシックスパックは腹筋(正確には腹直筋)のシルエットが出てくることでキレイに表現されるのですが、この腹直筋が曲者で、なかなか効果的に鍛えるトレーニング方法がなかったりします。
そこでクランチの登場です。
自宅にいながらカラダだけで行える筋トレメニューなので、とってもお手軽でどなたにもオススメできる腹筋のトレーニングです。
クランチをマスターして、美しくたくましいシックスパックを手に入れてください。
クランチで鍛えられる筋肉は3つ
まずは、『クランチ』で鍛えられる筋肉を3つご紹介します。
そもそも僕たちが意識している腹筋とは、前述のとおりシックスパックのもとになる腹直筋と、キレイなくびれを形作る腹斜筋の2つに分類されます。
腹斜筋は内腹斜筋と外腹斜筋の2つにわけられるので、トータル3つの筋肉が鍛えられることになります。
そして「腹直筋」と「腹斜筋」のうち、クランチで鍛えられるのは1つめの腹直筋となります。
工夫すれば腹斜筋も鍛えられる
クランチをベースにしたバリエーション種目として後ほどご紹介します『ツイストクランチ』をやれば、腹直筋と同時に腹斜筋も刺激できます。
腹直筋
先ほど説明したように、腹直筋はシックスパックを構成する筋肉です。
腹直筋は恥骨から肋軟骨まで付着しており、この両端を近づけたり(収縮)遠ざける(ストレッチ)ことによって刺激を与えることができます。
この付着範囲からわかる通り、表面積はかなり大きいという特徴があります。腹直筋の役割としては主に体幹部を屈曲(上半身を前に曲げる動作)する動作が挙げられます。
これはクランチのメイン動作である上体部を持ち上げる動作そのものです。
腹直筋が発達するとかっこいい腹筋が手に入ることはもちろんの事、腰痛防止や他のトレーニングにおけるパフォーマンスアップなど嬉しい副次効果も付いてきます。
外腹斜筋
続いてツイストクランチで鍛えられる腹斜筋の説明をしていきます。
一概に腹斜筋といっても外腹斜筋と内腹斜筋に分けることができます。
まずは外腹斜筋の特徴から見ていきましょう。
外腹斜筋は腹斜筋の中でも表層部に位置しています。
肋骨から腹直筋まで付着た筋肉であり、この両端を近づけたり(収縮)遠ざける(ストレッチ)ことによって刺激を与えることができます。
また、外腹斜筋の働きとしては体幹部の回旋(体をねじる動作)、屈曲(上半身を前に曲げる動作)、側屈(上半身を横に倒す動作)が挙げられます。
このうち、『ツイストクランチ』では体幹部の回旋動作が行われています。
その名の通りツイストすることで外腹斜筋に刺激を与えています。
また、外腹斜筋は体の表層部に位置するため女性なら鍛えることで綺麗なくびれ、男性であればいわゆるエロ筋を演出する効果があります。
内腹斜筋

外腹斜筋・内腹斜筋・腹横筋
内腹斜筋は外腹斜筋よりもさらに深層部に位置するインナーマッスルです。
上前腸骨棘(腰骨)から腹直筋まで付着しており、働きとしては外腹斜筋と同様に体幹部の回旋、屈曲、側屈です。
外腹斜筋が斜め下に向かって走行しているのに対し、内腹斜筋は斜め上に向かって走行しています。
内腹斜筋は上半身の回旋に大きく関与しているため、鍛えることによりスポーツパフォーマンスの向上などの効果があります。
筋トレ効果を高めるクランチの正しいやり方
クランチは動作自体は非常に簡単なのですが、腹直筋にピンポイントで効かせるにはコツがいります。
クランチの正しいやり方
- マットに仰向けになります。
- かかととお尻が靴一足分の距離になるように、膝を曲げる。(約90度)
- 手を耳の横に添えるか、頭の後ろで組みます。
- 難しい場合は、手をお腹の上に添えましょう。負荷が軽くなります。
- この状態がスタートポジションです。
- おへそを覗き込むようにして、息を吐きながら上体を持ち上げていきます。
- 腹直筋がしっかりと収縮したら、ゆっくりと上体を下ろしていきます。
- 背中がマットに全部つく手前(腹直筋から負荷が抜けきる直前)で切り返し、再度上体を上げていきます。
1~5の動作を繰り返していきましょう。
回数の目安は、10-15回を最低3セット行うようにしてください。
クランチの注意点、よくある間違い
クランチの注意点、よくある間違いを3つ挙げましょう。
間違い① 上体を上げすぎてしまう
上体を持ち上げる際に、一番上まで持ち上げてしまう方がいる。
これでは、クランチではなくシットアップと呼ばれる別の種目になります。
また、上体が最後まで持ち上がってしまうと、腹直筋から負荷が抜けてしまいます。
クランチは可動域が狭い分、いかに腹直筋に負荷をかけ続けるかということがポイントとなるので、上体は上げきらず、腰から下はマットに付けた状態を維持しましょう。
間違い② 上体を下ろしきってしまう
先ほど上体を上げすぎてしまったら腹直筋から負荷が抜けてしまうと説明しました。
それと同様に、持ち上げた上体を戻す際にも注意しましょう。
背中がベタッとマットに着くまで下ろしてしまうと、これも腹直筋から負荷が抜けてしまいます。
腹直筋から負荷が抜けきる手前で切り返すことを意識しましょう。
間違い③ 反動を使ってしまう
クランチのフォーム説明の際に、なるべく手を耳の横に添えた方が良いと説明しました。
手を自由にしてしまうと、反動を使いやすくなってしまいます。
反動を使って上体を持ち上げると、あまり腹直筋が使われずに効果が半減してしまいます。
そのため手は常に固定し、なるべく丁寧な動作を心がけましょう。
クランチの筋トレ効果を高めるコツ・ポイント
クランチで腹直筋にピンポイントで効かせるコツを3つ挙げましょう。
コツ① 背骨を丸める意識で上体を持ち上げる
クランチで上体を持ち上げる時に、腹筋を使っている感覚がうまく掴めないという方は多いのではないでしょうか。そんな時にオススメなのが、背骨を一本一本丸めるような意識で動作を行うことです。
この意識を持つことで腹筋の収縮感を意識しやすくなります。
コツ② ネガティブ動作を意識する
クランチでは上体を持ち上げることも大事なのですが、下ろす動作も同じくらい重要です。
ストン、と上体を下ろしてしまっては腹直筋にほとんど負荷がかかりません。
腹直筋に負荷を感じながらなるべくゆっくりと上体を下ろしていくことでより効かせることができます。
コツ③ 呼吸を意識する
クランチをより効果的に行うためには、呼吸の意識が大切となってきます。
具体的には、上体を上げる際にフッと意識を吐き、下ろす際にゆっくりと息を吐いていきます。
くれぐれも呼吸は止めないように注意しましょう。
クランチのバリエーション種目
通常のクランチに慣れてきた方のために、バリエーションをいくつか紹介します。
様々な角度から刺激を与えることにより、効率良く腹直筋を発達させましょう。
バリエーション① ツイストクランチ
ツイストクランチとはその名の通りクランチにツイスト動作を加えた種目で、腹斜筋を鍛えることができます。
- ①マットに仰向けになります。
- かかととお尻が靴一足分の距離になるように、膝を曲げる。
- 手を耳の横に添えます。
- この状態がスタートポジション
- 片方の肘が対角線上の膝と近づくように上体を丸めていきます。
- 腹直筋及び腹斜筋の収縮を感じたら、ゆっくりと戻していきます。
- 同じ動作で逆側も行います。
この動きを交互に繰り返していきます。
腹直筋に力を入れた状態でツイスト動作が加わるため、より負荷が高まります。また、腹直筋だけではなく腹斜筋への刺激も加わるため、効率良く腹筋全体を鍛えることができます。
注意点としては、通常のクランチ同様腹筋から負荷が抜けないようにすることです。一回一回丁寧な動作を心がけましょう。
バリエーション② バランスボールクランチ
バランスボールクランチとは、バランスボールの上で行うクランチのことを指します。
- バランスボールを用意し、腰掛ける。
- 膝を軽く曲げ、両足はしっかりと地面に着ける。
- 手を耳の横に添えます。
- この状態がスタートポジション
- ゆっくりと上体を倒していきます。
- 腹直筋から負荷が抜ける手前で切り返し、再度上体を上げていきます。
この動きを繰り返していきます。
シンプルに申し上げてしまえばバランスボールの上で行うクランチなのですが、バランスボールを利用することで稼働機が広がり、より腹直筋へと強いストレッチをかけることができるのです。
通常のクランチと同じように、腹直筋から負荷を抜けないようにすること、そしてバランスを取りやすくするために体幹部に常に力を入れた状態で動作を行うことです。
まとめ
今回は腹斜筋を鍛えられるクランチの正しいフォームと効かせ方のポイント、そしてバリエーションまで紹介しました。
クランチは一見簡単そうに見えて、実は奥が深い種目です。丁寧に動作を行うことでしっかりと負荷を加えることができます。
今回紹介したコツを意識してクランチをマスターし、綺麗に割れたシックスパックを手に入れましょう。