ベータアラニンの筋トレ効果を学術的に検証する

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慶應義塾大学商学部卒業。フリーで活動するパーソナルトレーナー。渋谷や新宿、六本木を拠点に活動しています(東京23区は対応可能)。







はじめに

この記事では、筋力トレーニングのパフォーマンスを高める効果があるとして、一般的な注目を集めているベータアラニンについてお話する。

はじめにベータアラニンに関する基本的な知識をお伝えする。

その後、Beta-Alanineが肉体に与える作用をご紹介するとともに、筋トレに対してどのように影響を及ぼすのかについて、科学的な根拠をもとに解説していく。

ベータアラニンとは?

ベータアラニンとは、たんぱく質の構成要素であるアミノ酸の1種だ。

スーパーなどで買える食材として一般的な、牛肉や鶏肉などの肉類に多く含まれている。
また、食べ物からだけでなく、私たちの体内(肝臓)でも合成されている。

はじめに申し上げてしまうと、ベータアラニン自体には筋力トレーニングに及ぼす有益な効果はないのだ。
しかし、ベータアラニンをもとに体内で合成されるカルノシンというたんぱく質が、筋トレのパフォーマンスを高める作用をもたらすのだ。

カルノシンとは?

ベータアラニンは、体内でカルノシンの「律速前駆体」としての役割を果たしている。

「律速前駆体」という言葉にあまり聞き覚えがないかもしれないね。

簡単にいうと、カルノシンを合成するためにベータアラニンが必要となるのと同時に、カルノシンが合成される量が、ベータアラニンがどれくらい使えるのかが影響する、ということを意味している。

つまりベータアラニンは、カルシトニンの合成を介して筋力トレーニングの疲労回復に寄与する可能性のあるアミノ酸なのだ。

ベータアラニンと筋力トレーニング

ここからは、ベータアラニンと筋力トレーニングとの関係について説明していく。

これに関しては、サンパウロ大学などの研究者らがシステマティックレビューを行い、メタアナリシスという手法を用いて、ベータアラニンと運動効果(筋力トレーニング含む)に関する研究成果をまとめているので、それを参考にする。

システマティックレビューというのは、予め決められている手順に沿って研究成果を系統的にレビューする方法で、メタアナリシスは、それらの研究成果を統計学に統合する方法だ。

複数の研究の結果を統合し、より高い見地から分析すること、またはそのための手法や統計解析のことである。 メタ分析、メタ解析とも言う。 ランダム化比較試験(RCT)のメタアナリシスは、根拠に基づく医療において、最も質の高い根拠とされる。

引用元:メタアナリシス

 

つまり、今回紹介する研究は、あらゆる環境や条件で行われた世界中の研究結果を1つにまとめた、その研究の集大成ともいえるようなものなのだ。

この論文では、ベータアラニンと運動について、以下のように結論づけている:

  1. 運動に対するベータアラニン補充は、運動能力向上に効果があった
  2. 運動時間が短い場合(30秒未満)は効果がなく、30秒~10分の運動では最大の効果をもたらした
  3. 普段から訓練されているアスリートは、一般人よりも効果が少なかったが、全身運動などでは同様の利益が得られていた

これらは間違いなく、ベータアラニンが、運動に対して有益な効果を持つことを示した内容だ。

全体的な内容としても、ベータアラニンの運動に対するポジティブな効果を報告している。

なぜベータアラニンが筋力トレーニングに効果を発揮するのか

ベータアラニンが筋力トレーニングに有益な効果を持つということは、先でも説明いたした。

ここでは、なぜそのような効果をベータアラニンが発揮するのか、その理由について説明する。

結論から言うと、ベータアラニンから合成されるカルシトニンが、運動による疲労軽減効果を介し、運動中のパフォーマンス向上や筋力トレーニングの回数増加をもたらす、というのがその理由だ。

筋力トレーニングを行える回数が増加すると、筋力アップにもつながるということは、容易に想像できるよね。

皆さんも、筋肉トレーニングをした際に、強い疲労感を覚えた経験があるかと思う。その疲労感は、乳酸が筋肉に溜まってしまい、筋肉でのATP量が減少してしまったことに起因している。

強い筋肉トレーニングを行う際、人は筋肉内に存在するATPを分解してエネルギーを得ます。

その際、代謝産物として乳酸が筋肉内に蓄積してしまうのだが、この乳酸が厄介者。乳酸が筋肉内のpHを低下させ、乳酸アシドーシスを引き起こすからだ。

この状態になってしまうと、筋肉でのATP利用が抑制され、またさらなるATPの合成も防止されてしまう。

そのために、運動して乳酸がたまると、疲労感を感じるというわけなのだ。

しかし、カルシトニンには、乳酸などによるアシドーシスを緩衝する働きがある。そのため、ベータアラニンを摂取し、筋肉中にカルシトニンが増加すると、疲労軽減の効果が期待できる。

実際、13人の成人男性に4週間に渡ってベータアラニンを摂取してもらい、その有効性を調査した研究では、ベータアラニンの摂取によって58.8%のカルシトニンが増加したこと、高強度のサイクリングにおける総運動量が13.0%増加したことを報告している。

これは、ベータアラニンがカルシトニンを増加させ、それが運動による疲労軽減をもたらすというメカニズムを裏付けるものだ。

まとめ

最後までお読みいただきありがとうございました。

本日は、ベータアラニンがもつ筋力トレーニングへの影響についてご紹介した。

今回ご説明したメタアナリシスの研究からは、ベータアラニンが筋力トレーニングに対して有益であるということと同時に、その適応には運動時間に関するある種の制限があるということも明らかになりました。

ベータアラニンの使用を検討しているという方は、運動時間について配慮するようにしてほしい。







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